考える力を伸ばすには
ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)
- 作者: 照屋華子,岡田恵子
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2001/04/01
- メディア: 単行本
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この本は至る所で紹介されていますし、僕自身が読んでも面白かったので非常に良い本であることは間違い無いです。しかし、読んでも頭が良くなっている実感が正直なところありませんでした。
そこでなぜかと考えてみたのですが、それは考える方法論を知っていることと、その方法論を使いこなすことができることの間に大きな隔たりがあるからだと思います。
高校数学を勉強するときに、数学の公式集を読んだだけで公式が使いこなせるようにはなかなかならないと思います。その公式を使った問題を数問解いて具体例を経験する中でだんだんと腑に落ちた感が出てきて、その後難易度が高い問題に挑戦する中で、使いこなせるようになっていく人が大半だと思います。
数学的帰納法という言葉を知っている人は無数にいますが、言葉を聞いたことがあるというレベルから、様々な問題で適切に適応できるというレベルまで、相当な開きがあります。また、ピアノやフルートなどの楽器についても、触ったことがあるというレベルから、プロのレベルまで様々です。
このように、道具や方法論について、知っているというレベルからプロ級に使いこなせるレベルまで様々いますよね。考え方や思考法についての原則本を読んだばかりの段階であれば、自分は数学でいうところの、帰納法という言葉を知ったばかりという程度なんだ、という自覚を持っておくと良いのだと思います。原則本に対して変なフラストレーションや不満感を感じずに済むので。
大学の数学を勉強するときも、定理を勉強した後に例で確認すると思うんですが、そういう作業が必要なのでしょう。
結局こういった原則について書かれた本を読むだけでは不十分で、その後具体例に多く当たる中で次第に自分の身になった感が出てくるのだと思います。あるいは、具体例を作ればいいのでしょう。
また、難易度が高い数学の問題を解けるようにするためには、
・それぞれの解法を具体的にどのような状況で使うか、ということを意識して覚えること
ex)「任意のnについて示せ」という文言に注目して帰納法や背理法を考える習慣をつけるなど
・手持ちの解法は何もみずに列挙できるようにすること
ex)解法がわからないときに、帰納法、背理法、具体例で実験・・・など手持ちの解法を口頭で列挙できるように日頃から練習しておく
・問題を解いた後に、自力で解法を思いつけるかを自問する
が有効ですが、思考力を上げるときもこういった作業が有効なのではないかという仮説を持っています。
現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!
- 作者: 東大ケーススタディ研究会
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2009/09/18
- メディア: 単行本
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ということで今はこの本を使って具体例に当たっていますが、原則本に書いてあることを実際にに適応する感覚が徐々に身についてきたように感じています。
原則本を読むのと、具体的な問題での練習を交互に反復していこうと思います。